浦安駅近くの駐車場に集合し、まずは旧江戸川沿いへ。
少しだけ自転車を担ぎ上げます。
釣船や屋形船を運行している船宿「吉野屋」などを横目に南下。
山本周五郎「青べか物語」のモデルになった船宿です。
船宿ゾーンを抜けると道幅も広くなってきます。
伝平橋に到着。鉄鋼団地の眺めを楽しみます。
日本一の鉄の流通基地である浦安鉄鋼団地。製鉄所から毎日運ばれてくる鋼材を在庫したり、ユーザー(自動車メーカー・家電メーカー・建設会社など)の用途に応じて加工(カットや溶接)が行われています。
この見明川河口は200トンから1000トン級船舶が接岸できる鉄鋼団地独自の専用岸壁となっているそうです。
浦安市郷土博物館へ。無料の施設ですが大充実の内容です。
まずは浦安郷土博物館のゆるキャラ「あっさり君」がお出迎え。
エントランスの映像作品を見た後は、
漁業(主に海苔や貝類の養殖など)を中心に浦安の歴史が分かりやすく展示しています。
昭和33年(1958)に起こった黒い水事件(本州製紙から吐き出された黒い汚染水)によって浦安の漁業は壊滅的な被害を受けました。浦安は汚染された広大な浅瀬を埋め立てて新しい産業にシフトします。そして埋立地の一部にはディズニーランドが招致されました。
屋外展示場が面白いです。
キティ台風の被害から復興した昭和27年頃の浦安を再現しています。
建物の内部にも入れちゃいます。どこを切り取っても映えますね〜。
船の展示室では、浦安の漁業で使われた「マキ船」「打瀬船」「小網船」「投網船」「べか舟」を見ることができます。
お時間のある方は、川島雄三監督の1962年公開の映画「青べか物語」をご覧ください。浦安の見え方が変わると思います。森繁久彌さんのユルイ演技が好印象です。アマゾンプライムで有料にはなりますが視聴できます。
見所一杯な郷土博物館を後にして浦安三社の豊受神社へ。
1157年の創建といわれ浦安市で最古の神社です。
浦安三社には富士塚があり、それぞれ造形が違うのが面白い。
豊受神社には大正12年(1923)に造られた大きな富士塚。
豊受神社の後はランチを予定。
行徳で町中華を当初は考えていましたが、郷土博物館が思ったよりも時間がかかりそうなので、双葉浦安本店でとんかつをいただく予定です。
昼食の後はフラワー通りへ。1985年「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」の企画で「元気が出るハウス」や「たけし猫招き神社」などが造られた商店街です。
まずは旧濱野医院へ。浦安で最初の洋風建築で昭和4年(1929)に建てられました。
明治2年(1869)に建てられた旧宇多川家住宅。米屋、油屋、雑貨屋、呉服屋などの商家として使われてきました。建築年代がはっきり分かるものとしては市内最古だそうです。
お嬢さん、お安くしまっせ。
江戸時代末期の建築と推定されている旧大塚家住宅。
じっちゃん、たくさんお魚獲れるといいね。
1196年の創建と伝えられている清瀧神社。浦安三社のひとつです。
本殿は1858年の築造で立派です。
清瀧神社の富士塚は江戸時代からあったようですが、こちらの形になったのは大正11年(1922)のことのようです。
よく見ると登拝する2体の石像が作られていて遊び心を感じる富士塚でした。
浦安名物の焼ハマグリと焼きあさりの越後屋焼蛤店へ。
店内はいたってシンプル。
焼蛤200円、焼あさり70円。1串から購入できます。
お味は普通に美味しいです!
1689年に創建されたと伝えられる当代島の稲荷神社。こちらで浦安三社がコンプリート。
稲荷神社の富士塚は昭和4年(1929)の築造。
行徳に移動し常夜燈。
1812年に江戸日本橋西河岸と蔵屋敷の成田山にお参りする講中の人々が航路安全を祈願して建てたもの。日本橋近くの小網町から舟に乗り、小名木川と新川を経由し江戸川を少し遡った行徳で下船、常夜燈のある場所から陸路で成田まで歩きました。
行徳ふれあい伝承館。昭和4年(1929)の建築。
行徳といえば製塩が有名。戦国時代には製塩が始められたと言われていますが、大正6年の大津波や昭和24年のキティ台風により壊滅的な被害を受け塩田は埋立地になっていきました。
塩以外に行徳は神輿の生産地としても有名。室町時代末期または徳川家光の頃に行徳では神輿づくりが始まったと言われています。江戸時代の祭りは神輿とともに派手に飾り付けした山車が各町をまわるのが主流でしたが、明治の文明開化とともに電線が普及すると背の高い山車は町内を巡るのが難しくなり、コンパクトな神輿の需要が増えていきます。また明治時代に入ると神仏分離令が発令され、寺社建立の気運が下火になったことから、宮大工や仏師は神輿づくりに力を入れ、戦後から高度成長期にかけては空前の神輿制作ブームになったそうです。
こちらは行徳の代表的な神輿店だった浅子神輿店。残念ながら2007年に廃業しましたが、日本一の大神輿と言われる富岡八幡宮の雅な神輿を作りました。明治から昭和にかけて制作された江戸神輿4000基の半数は行徳神輿と言われており、浅子さんの他に後藤さんと中台さんが御三家で、現在は中台さんのみ神輿の製作と修復をしています。
1854年に建てられたという「笹屋うどん店跡」。船で来ても陸路で来ても立ち寄らない人はいないと言われた繁盛店だったそうです。石橋山の戦いで敗走する源頼朝も食べたのだとか。
明治後期に建てられた加藤家住宅。有力な塩問屋だったそうで近代和風住宅と煉瓦塀が印象的。クネクネとした権現道を通り徳願寺の朱色の山門(1775築)を愛でてから、
妙好寺の山門へ。江戸中期の山門と見られ、重厚な茅葺き屋根が見所です。
ここからはお土産タイム。
まずは菓匠京山 妙典店(写真は行徳店)。行徳ならではの「塩どらやき」がおすすめです。
すぐ近くのブーランジェリーデュデスタンでパンも買いながら、
行徳の季彩菓庵しげつさんへ。こちらも「行徳焼」というどら焼きが名物。
浦安に戻って丸茂海苔店さんで最後のお買い物。
相撲土産に納めている唯一の海苔屋さん。
乾海苔がズラリと鎮座しているのが奇跡です。
焼き海苔も安定の美味しさですけど、是非ご自宅で乾海苔を炙って食べてみてください。磯の香りが広がる口福をお約束します。本当に美味しいですよ〜。
こんな流れの浦安サイクリング。ご興味のある方はお気軽にご参加くださいませ。