観光サイクリングは国分寺編です。
西国分寺駅からほど近い場所に東山道武蔵路の遺構が整備保存されています。大化の改新後の7世紀後半から8世紀前半に整備された古代の官道です。国鉄中央鉄道学園跡地の開発によって大規模な遺構が発見され平成5〜11年に発掘調査が行われました。幅が12mある道路がズドーンとまっすぐに造られました。側溝も確認され排水もバッチリだったようです。
このエリアは国分寺崖線という多摩川の流れによる侵食でできた崖のため湧水が豊富です。崖のことをハケというと崖線マニアから一目置かれるかもしれません。
真姿の池湧水群は環境省の名水百選のひとつ。
湧水群の清流の流れに沿った散歩道の「お鷹の道」は尾張徳川家の御鷹場に指定されていたことから名づけられました。
江戸時代末期の1848年に建てられた旧本多家住宅長屋門。
武蔵国分寺跡資料館の入り口となっています。
中庭に入ると七重塔のレプリカ。実際の高さは約60mほどあったと推定されています。
武蔵国分寺跡資料館へ。
武蔵国分寺跡は公園というか空き地というか、なーんにも建物はございませんので、資料館の模型を頭に入れて国分寺跡に行くとイメージがつきやすいと思います。
江戸時代末期の長屋門の内部も入ることができます。
さて国分寺散策です。
奈良時代の741年に造られた武蔵国分寺は鎌倉時代の1333年に起きた分倍河原の合戦の折に消失してしまいました。分倍河原の合戦は鎌倉幕府(北条)と反鎌倉幕府(新田義貞)との戦い。1335年に新田義貞により薬師堂が建立(武蔵国分寺の金堂跡付近)、1751~63年に今の場所に移され建て替えられました。真言宗智山派の寺院として現在に至ります。
楼門は明治28年(1895)に東久留米市の米津寺(べいしんじ)より移築。
本堂は1725年に再建、昭和60年(1985)に改築されています。
境内に万葉植物園があり、国分寺が造られた奈良時代を偲ぶことができます。
仁王像は1718年に造立、仁王門は1751~63年頃に建立。
薬師堂。1751~63年頃に建立。
聖武天皇の国分寺建立の詔によって全国に造られた国分寺。
武蔵国分寺跡は公園として整備されています。四神相応の立地。
七重塔跡。
国分寺市文化財資料展示室は中学校の敷地内にあります。内部を見学します。
上が体育館になっているのか平日でしたのでバタバタしていました。
武蔵野線の線路を越えると国分尼寺跡。こちらも広大です。
版築(土を敷き詰めては突き固める基礎工事)が分かりやすく展示されています。黄河流域で古代から用いられた工法です。
伝鎌倉街道。主要幹線道の上道(かみつみち)。
お昼は鰻です。国立の鰻の名店である信川円さんへ。
背びれ焼。
きも焼。
うな重 ろ(一串)
鰻の名店と評判の通り、抜群に美味しいお店でした!
南武線沿いにある洋菓子舗ウエスト国立流通センター。
店内商品が一割引で購入できます。残念ながらこちらは2020年2月いっぱいで閉店となり、以降は日野の工場直売店をご利用くださいとのこと。
ウエストの銀座店とか青山店とかって店内がゆったりで良いですよね〜。
昔、青山店で「ホットケーキ2枚お飲み物付き」をオーダーしたことがありまして、あまりのボリュームに驚いたことがございます。昔話は置いといて、定番人気のシュークリーム。生ケーキ類は青山店で作った朝の第一便のみ国立の流通センターまで運ばれており、陽気が良いとお昼過ぎぐらいには生ケーキがなくなることもあるそうです。
東日本最古の天満宮である谷保天満宮。亀戸天神社、湯島天満宮と合わせて関東三大天満宮と呼ばれています。駅名や地名は「やほ」ですが「やぼてんまんぐう」と読むそうで、野暮の語源という説も。拝殿は1851年に造営されたもの。本殿はさらに古く1749年の造営です。主祭神はもちろん菅原道真公。
境内にはニワトリがいらっしゃったり、
菅原道真ゆかりの牛さんがいらっしゃったり、
日本最初のドライブツアーが行われた際の昼食場所でしたり、
菅原道真ゆかりの梅林も見事でしたり、見どころ満載。
宝物殿は日曜と祝日の11時から15時まで公開され、鎌倉時代の木造獅子狛犬を鑑賞することができます。
熊野神社古墳展示館へ。裏手にある珍しい上円下方墳の古墳に関する展示施設です。
じゃーん!上円下方墳。
全国に5例しかない極めて希少な墳形です。築造は大化の改新後の7世紀中頃〜後半とみられています。
石が葺かれている上円下方墳では最大規模であり、最も古いものになるそうです。
府中高札場跡。
かつての府中宿の中心地に位置します。高札場とは、江戸時代に幕府の政策や禁令などを掲示した施設。旧甲州街道と鎌倉街道の交差点ですので往来する人々が多かったそう。
大國魂神社は武蔵国の総社であり東京五社の一社です。その他の五社は明治神宮、日枝神社、東京大神宮、靖国神社です。起源が景行天皇41年(西暦111年)というのですから何と古い歴史を誇るのでしょう。拝殿は明治18年に改築、昭和53年に改修。本殿は寛文7年に完成、慶応3年と昭和40年に改修。写真の隋神門は平成23年に改築された立派なもの。
主祭神は大國魂大神(おおくにたまのおおかみ)、出雲の大国主命と同一の神とされます。大國魂神社で面白いのが本殿が北を向いていること。通常の神社は南か東を向いています。「天子南面す」と言われるように玉座は南、太陽の方角を向きます。大國魂神社は、永承6年(1051年)に南向きであった社殿を源頼義が北向きに改めました。朝廷の権力が届きにくい東北地方を神威によって治めるという意味があったそうです。
宝物殿は土・日・祝、神社祭礼日の10時〜16時まで公開されています。こちらでも鎌倉時代初期の彫刻家・運慶の作とも伝えられる木彫寄木造りの狛犬を鑑賞できます。
また境内地がかつての武蔵国の国府跡になり、東側には「武蔵国府跡」として整備されています。時間があったら立ち寄ります。
ざざっと簡単にツアー当日の行程を記事にしました。
当日はさらに詳しく解説していきますのでお楽しみに〜♪