観光サイクリングin羽村の下見

観光サイクリングin羽村/初級

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観光サイクリングin羽村は、まいまいず井戸や玉川上水を巡るサイクリング。「水」がメインテーマになります。まずは羽村駅近くにある五ノ神まいまいず井戸へ。武蔵野台地は崩れやすい砂礫層の上に火山灰があるため真っ直ぐ掘るのが難しく、粘土層まですり鉢状に掘り下げてから垂直に掘っていきました。すり鉢状に螺旋状の通り道がついており、それがかたつむりの殻に似ているため「まいまいず井戸」という名称になっています。平安時代初期に作られたという地元の伝説も残されているようですが、井戸の形態や出土物などから鎌倉時代に作られた井戸と推定されています。昭和35年頃まで使用されていたそうです。

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青梅新町の大井戸まで移動。現存するまいまいず井戸の中では大型のものになります。室町時代〜安土桃山時代にかけて掘削されたと推測されています。1997年に青梅市が整備し、当時の姿を再現、一般公開しています。

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青梅から羽村に戻り禅林寺へ。

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こちらには中里介山のお墓がございます。未完の長編時代小説「大菩薩峠」で有名な中里介山。玉川上水の取水堰にほど近い場所で生まれたそうです。腸チフスのため59歳の若さで亡くなりました。味わい深い五輪塔が印象的です。

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さてさて、玉川上水の取水堰へ。玉川上水最初の案は日野(青柳)からの取水。開削途中に試験通水を行ったところ、「水喰土/みずくらいど(関東ローム層、府中市かなしい坂)」に水を吸い込まれてしまい流路を変更。第2案は福生からの取水としましたが、こちらも岩盤にあたり失敗。第3案で川越藩士の安松金右衛門を設計技師に起用し、こちらの羽村からの取水となりました。1653年、約半年の工事で羽村から四谷大木戸までの約43km(標高差は約92メートル)が完成、翌年には江戸市中への通水が開始されます。100mごとに21cm下る計算ですから高度な測量技術が必要でした。

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投渡堰と呼ばれる堰。大水になった際、取水口の水門が壊れるのを防ぐため投渡堰の丸太を川に流してしまい流れが多摩川本流に行くようにします。1911年に木製からコンクリート製に改築されましたが、基本的な仕組みは360年以上にわたり変わっていません。

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牛枠の展示。治水のためのもので、組み立てた木材に玉石をつめた蛇籠で固定。水の流れを弱めて堤防が壊れるのを防ぎます。

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玉川上水の開削の指揮をとった兄の庄右衛門と弟の清右衛門。工事が完成し「玉川」の姓を名乗ることが許されました。

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取水口付近の玉川上水はなかなかの勢い。小説にはなりますが、杉本苑子さんの「玉川上水」が名著ですのでご興味がございましたら是非!

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羽村市郷土博物館へ。玉川上水について分かりやすい展示の他、中里介山コーナーもございます。

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ランチはラ・フーガス。とっても美味しいパン屋さん。
駅から歩くには遠い立地なのですが、足を延ばして行く価値のある名店です。

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イートインスペースもあり店内でスープセットなどをいただくこともできます。なんとパンはおかわり出来ちゃうのだ!

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渕上の石積井戸。とても分かりにくい場所にあるのでマニア度高めの井戸です。石積をともなう点が大変希少。

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協同乳業の「東京牛乳」の生産者のひとつである福島牧場へ。牛さんに癒されましょう。

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近くにある「JAあきがわ日の出農産物販売所」で福島牧場のソフトクリームが食べられます。下見した日はお休みでした。

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福生に戻りラトリエサクラでお買い物。絶品の焼き菓子をお土産にどうぞ〜。

井戸&玉川上水を中心に、自然豊かな羽村&あきる野をサイクリングしましょう!


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池ヶ谷 誠 について

セブンヒルズアドベンチャー代表。東京近郊でアウトドアツアーを企画運営。MTB・トレイルランニング・シャワークライミングなどマルチにガイディングしています。1973年神奈川生まれ。
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